オークションで購入をするにはオークション会社に登録をしてカタログを購入することから始まる。カタログと言えばブランドやメーカーの販売促進のためのものが一般的だが、オークションのカタログは情報を正確に伝えることを主眼としている。
まずは日程を確認する。オークション当日はもちろんのこと下見会の場所、日時は重要だ。下見会ではカタログで目星をつけたものの実物を手に取って見ることが出来る。通常、オークションの2、3日前からオークション当日の午前中まで行われる。遠方の方は当日の午前中に下見してオークションに臨むのが効率的だ。
現実的に大事な情報として手数料のチェックは不可欠だ。オークションでは高額になればなるほど手数料が低くなる。例えば、国際的なオークションでは25万ドル迄は落札価格の25%、25万ドルから38万ドルまでは20%、38万ドル以上は12.5%と言う具合になる。分かりづらいので下記に50万ドルで落札価格した場合の手数料を説明する。
オークション手数料
高額落札ほど手数料%は低くなる。また国内のローカルオークションは国際オークションよりも手数料は低くなるのが一般的なので同じようなスペックのものはローカルオークションが割安になる。
本編の個別ロットのページでは画像とデータを確認することが出来る。画像は基本的に実物大に近いものが載っている。心配ならデータにジュエリーのサイズやメインストンのサイズが記載されているので確認すると良い。大事なのはこのメインストンの寸法だ。親切なカタログは縦×横×深さが記載されている。記載されていなくてもオークション会社に問い合わせれば教えてくれる。重量(カラット)ももちろん記載されているが見た目の大きさの寸法の方が大切だ。特にカラーストンは深い物が多いので重量よりも見た目が小さくなる。一概には言えないが、目安は短辺に対する深さの割合が70%を超えると気をつけた方が良い。カラーストンは深さだけでなくパビリオン側の膨らみ(バルジ)も重量に大きく影響するので余計難しい。浅くて綺麗な石の場合はお買い得な事が多いことも覚えていた方が良い。
価値に大きく影響するダイヤモンドのグレードやカラーストンの産地、処理の意見が記されたレポートの主な内容もチェックポイントだ。国際オークションの場合はダイヤモンドのレポートはGIAに限られている。ローカルオークションも大粒ダイヤモンドは殆どがGIAだ。カラーストンはどのラボがどのような意見を述べているかをプロは見ている。伝統のあるスイス勢のSSEFやGUBELINと米国のAGLは国際的に評価が高くプロが好む。最近では資本力のあるGIAのレポートも台頭してきている。ラボの間でも意見が異なることも珍しくないので高額な宝石には複数のラボの意見が添えられている。レポートの内容がカタログに掲載されていなくてもオークション会社に問い合わせればコピーをファクスかメールで送ってくれるので気になるものは確認が必要だ。とは言ってもいかなるラボの意見も鵜呑みは禁物で、まずは自分自身の目で美しさを判断することが大前提だ。
ブランドジュエリー2018SUMMER-AUTUMNより