原田コラム

2010/11/30

Christie’s Hong Kong Auction 1

〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が
世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。

 

昨日Christie’s Hong Kongのジュエリーオークションが行われました。
結果は79.9百万ドル(約68億円)、落札率88.41%(ロット数)93.8%(金額)とリーマンショック以前に記したアジアのジュエリーオークション記録を塗り替えるホットな結果となりました。
6ロットが200万ドルを超えて全体を押し上げました。
残念ながら今月16日のSotheby’s Geneveの結果が凄すぎたので、世界のオークション記録の更新とはなりませんでした。
全体としては引き続きアジアの個人客の旺盛な購入意欲が価格を牽引しています。
資金が宝石に向かえば向かうほど、貨幣価値の不安は増していきます。

注目のピンクダイヤは期待通りの高値で落札されました。

○Diamond Ring<a
2103-1 14.23cts Fancy Intense Pink VVS2 Type2a2103-2 14.23cts Fancy Intense Pink VVS2 Type2a.

Rectangular-shaped Step-cut Diamond 14.23cts
Fancy Intense Pink VVS2 Type2a
Size:16.91×12.16×7.27mm
Side:1.73cts+1.67cts D IF
Estimate:$14,00,000-$19,000,000

落札価格(含手数料):HK$179,860,000 (約$23,274,064 約19億8,000万円)
1カラット当たり:約$1,635,000(約1億4,000万円)

不完全(Imperfect)なものが宝石ですが、このピンクダイヤはThe Perfect Pinkのタイトルでプロモーションされました。
そこまで販促に力を入れた結果が、アジアのジュエリーオークションでの記録価格となりました。
このピンクダイヤモンドの素晴らしいのは、縦横の比率とキュレットの長さのバランスが良いこと、何よりもTotal Depthが59.8%と厚すぎず十分な大きさを確保していることです。

次回に続く。