〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が
世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。
昨日、ニューヨークのChristie’sでジュエリーオークションが行われました。
総額は$22,140,350(約18億8,000万円)と香港のChrisitie’s程ではありませんが、まずまずの落札率(ロット83%、金額78%)でした。
相変わらずのファンシーカラーダイヤモンドの相場ですが、珍しいカラーグレードが出品されていましたので3点だけ結果をお伝えします。
Diamond: Radiant-cut 6.89cts
Fancy Vivid Purple-Pink SI1
Estimate:on Reques
落札価格(手数料込み):$6,914,500(約5億8,700万円)
1カラット当たり:$1,000,000(約8,500万円)
落札者:不明
PinkとPurpleの間のカラーグレードは以下のようになっています。
Pink←Purplish Pink←Purple-Pink⇔Pink Purple→Pinkish Purple→Purple
それから考えるとピンクとパープルの中間色でピンク寄りという色味でしょうか。
これに濃さと彩度が勘案されて以下のような表現が最初につきます。
淡い
↓
濃い
Faint
↓
Very Light
↓
Light
↓
Fancy Light
↓
Fancy
↓
Fancy Intense Fancy Dark Fancy Deep Fancy Vivid
(Intense,Dark,Deep,Vividは明度と彩度のバランスで決まります。)
注意しなくてはならないのは、グレーディングの結果だけで美しさを判断することは出来ません。
美しさは目で見て判断します。
○Diamond Ring by Taffin
Diamod: Radiant-cut 7.30cts
Fancy Purple-Pink VVS1
Estimate:$500,000-$700,000
落札価格(手数料込み):$902,500(約7,600万円)
1カラット当たり:$124,000(約1,000万円)
落札者:米国の業者
最初の6.89ctsと色味は同じですが、濃さと彩度が異なります。
同じようなサイズで濃くなって、彩度が高いとこれだけの価格差がつく貴重な例です。
Diamod: Pear-shaped 10.91cts
Fancy Intense Pinkish Orange VVS1
Estimate:$2,000,000-$3,000,000
落札価格(手数料込み):$2,378,500(約2億200万円)
1カラット当たり:$218,000(約1,800万円)
落札者:落札者:米国の業者
PinkとPurpleの例と同様、PinkとOrangeの中間色で少しOrange寄りでFancy Pinkish Orangeより濃いと言うカラーグレードです。通常は、ピンクにオレンジが入ると彩度が落ちて余り美しくないことが多いのですが、このダイヤモンドは大きさも影響してか味わいのある色合いです。
以上。