〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が
世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。
ダイヤモンドは窒素を含むタイプ(Ⅰ型)と含まないタイプ(Ⅱ型)に二分されます。
それぞれが更に二つ(a,b)に分かれて以下の4つに分類されています。
これらの境界は幅があり、一概に断定できません。
I 型(窒素を含むタイプ)・・・殆どのダイヤモンドがこのタイプ
Ia型 ・・・ 窒素原子(0.1~0.2%程度)が集合体を作っているもの。
大抵の無色から黄系(ケープ系)天然ダイヤモンドの殆どがこれにあたります。
合成ダイヤモンドには存在しません。
ファンシーブルーでもグレーイッシュ(灰色がかった)ブルーやカメレオンダイヤモンドはこのタイプに属します。(H-rich Ⅰa型:水素を含有)
因みにアーガイル鉱山の小粒で濃いピンクもこのタイプとなります。
Ib型 ・・・ 窒素原子が単独で存在しているもの。
無色からカナリー(ファンシーインテンス ビビッド イエロー)などの濃い黄色系のダイヤモンドを生みます。
黄色や褐色の合成ダイヤモンドはこのタイプです。
Ⅱ型(窒素を含まないタイプ)
IIa型 ・・・ 窒素などの不純元素を殆ど含まないダイヤモンド。
統計によって天然ダイヤモンドの0.1~2 %と開きがありますが、出現率が低いことは確かです。
無色、褐色、ピンクが存在します。
大粒の淡いピンクはこのタイプに属します。
高温高圧処理を施すと色の改良が出来うるタイプです。
無色の合成石もこのタイプと言われています。
IIb型 ・・・ 不純元素としてホウ素(ボロン)を含むものです。
電気を通す特異な性質(半導体)を持ち、ファンシーブルーのダイヤモンドが属するタイプ。
稀少性が非常に高く、Ⅱ型の約0.01%と言われています。
蛍光性はありません。
最近は、タイプが容易に判断できるようになったために、稀少性が高いタイプⅡにプレミアムがつくことがあります。
確かにタイプⅡaの中には特別に透明度の高いものが存在します。
しかし透明度が低いものも存在しますので、レポートの鵜呑みは禁物です。
実際にタイプⅡaと分類された20カラットを越えるDカラーの大粒のもので白濁したものを見たことがあります。
あくまでも宝石はご自身の目で美しさを確認することが基本です。
写真は、透明度が高いタイプIIaのペアーシェイプダイヤモンドです。