〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が
世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。
昨日ジュネーブでサザビーズのジュエリーオークションが行われました。
商品相場に警戒感がある中で、稀少性の高い宝石の相場の強さを印象付ける結果となりました。
歴史的なファンシーカラーダイヤモンドの高値に加えて、今回は歴史的なティアラが高額落札されました。
明日のクリスティーズ ジュネーブと併せて主な結果を日々掲載します。
落札総額（手数料込み）：CHF78,944,900 約$89,000,000 （約74億円）
○Emerald Diamond Tiara
Emerald : Pear-shaped 11pc app.500cts
Origin: Colombia
Treatment: Indications of Minor clarity enhancement by Gubelin
Diamond: Old cushion-shaped 11pc
Estimate: CHF4,600,000-8212;9,200,000
落札価格（手数料込み）: CHF11,282,500 約$12,700,000 （約10億5,000万円）
エメラルドは16世紀コロンビアで発見され17世紀にインドでビーズ加工されたと思われる。
当時インドでは宝石がビーズ加工されてマハラジャやその妻がネックレスとして身に着けていた。
その後エメラルドがヨーロッパに渡り、フランス王朝を経てドイツのGuido Henckel Von Donnersmarck王子が入手、ティアラに加工してロシアから来た妻のKatharinaにプレゼントした。
刻印はないが、その作りからブシェロン又はショーメによるものではないかと思われる。
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上記の解説は、Sotheby’sのDavid Bennettさんが動画で解説しています。（英語）
とても参考になるので、是非ご覧下さい。
Sothebys David Bennett（表示されるまで少し時間がかかります。）
○Diamond Ring
Diamond: 10.99cts Octagon-shaped Step-cut
Fancy Intense Pink VS1 TypeⅡa GIA
Estimate: CHF8,300,000-14,800,000
落札価格（手数料込み）：CHF9,602,500 約$10,850,000 （約9億円）
1カラット当たり価格：約$987,000 （約8,200万円）
ピンクの人気は衰えません。この相場が続くと眠っていたダイヤモンドが市場に現れます。
○Diamond Ring
Diamond: 2.39cts Oval-shaped Brilliant-cut
Fancy Vivid Blue SI2 GIA
Estimate: CHF1,285,000-1,850,000
落札価格（手数料込み）：CHF1,258,500 約$1,600,000 （約1億1,800万円）
1カラット当たり価格：約$595,000 （約4,900万円）
見積価格のほぼ上限で落札されていることから複数が競ったことが分かります。
このサイズでこの価格は正にコレクターズアイテムです。
次に続く。
