〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が
世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。
10月5日にSotheby’s Hong Kongのオークションが行われました。
市場ではダイヤモンド原石価格の下落に伴い研磨済みの調整が始まっていますが、稀少性の高い宝石の人気は衰えません。
注目の2点のファンシーカラーダイヤモンドは明暗が分かれました。ブルーがオークションでのFancy Vivid Blueの1カラットあたりの価格が記録更新になったのに対してピンクは不落に終わりました。
落札総額(手数料込み)HK$510,023,750 約$65,000,000(約51億円)
○Fancy Vivid Blue and Pink Diamond Ring
Cushion-shaped
6.01cts
Fancy Vivid Blue VVS2
Side diamonds
0.46cts Fancy Vivid Purplish Pink I1
0.44cts Fancy Vivid Pink VS2
見積価格:HK$70,000,000-85,000,000
落札価格(手数料込み):HK$79,060,000 約$10,200,000(約8億円)
1カラットあたり:約$1,700,000(1億3,400万円)
こちらがオークションにおけるFancy Vivid Blue 1カラット当たりの世界記録を作ったダイヤモンドです。
脇のピンクダイヤモンドが加算されているのではと思われるかもしれませんが、小粒なので殆ど影響しません。
ファンーカラーもカラーレスもある程度の大きさが必要です。
○Fancy Vivid Pink Diamond Ring
Octagon-shaped Step-cut
9027cts
Fancy Vivid Pink VVS1 TypeⅡa
見積価格:HK$100,000,000-150,000,000
落札価格:不落
所謂Golcondaタイプのピンクです。
もし見積もり価格の下限$13,000,000($1,380,000/ct)で落札されたら上記のブルーを上回る高額落札になりましたが、リザーブ価格が高すぎたようです。
続く。