〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。
GRAFFさんの広報誌GRAFFITY(2012 Summer)より圧巻の大粒ダイヤモンドをご紹介します。
まず、表紙のハートシェイプのイヤリングは51カラットと50カラットで共にD Flawlessです。
リングはさらに大きく56カラットのD Intenally Flawlessです。
3つはほぼ同じぐらいの重量ですが、リングのダイヤモンドが大きく見えるのは遠近の差だけではなく、深さの違いと思われます。
イヤリングが深めでリングは浅めなのでしょう。
もし、リングのものがイヤリングと同じような深さなら高さがありすぎてバランスが悪くなります。
50カラットと言っても10グラムです。
1円玉10枚相当です。
ダイヤモンドの重さだけで考えれば驚くことはありません。
100カラットでも20グラムで、500円玉3枚とほぼ同じぐらいです。
宝石品質のダイヤモンドだけで、ずっしり、と言うのは現実的でないののが分かります。
私はかつて200カラットを手にしましたが、これは少しずっしりと感じました。
おそらく、価格のせいで実際以上に感じたのかもしれません。
更に3つの大粒ダイヤモンドを指にしている画像を紹介します。
いずれもDカラー Internally Flawlessで揃えているのはGRAFFさんならではです。
このサイズを指につけるとこう見えるという貴重な画像です。
エメラルドカットに比べて約半分の重さのペアーシェイプが大きく見えるのは形の特性もありますが、全体が浅いためです。
美しさを損なわなければ、浅い宝石は大きく見えるばかりか座りが良く装身具として優れている良い例です。