〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。
昨日、前回のブログでお知らせした第1回JGS(日本宝石協会)宝石シンポジウムが開催されました。
会場は定員を上回る参加者で盛り上がりました。
参加型体験学習として実際に宝石を手にとって美しさを確認し、ルーペと顕微鏡で観察して産地の違いと処理の有無を見ました。
実際に観察した宝石と産地は以下の通りです。
○ルビー(顕微鏡で観察)計15個
・ミヤンマー(モゴック)産
・マダガスカル産
・モザンビーク産
・ミヤンマー(モンスー)産
・ベトナム産
・マダガスカル産
・モザンビーク産
・モザンビーク産
・ベルヌイ法
・ラモラ社製
・カシャン製
○サファイア(肉眼とルーペで観察)計32個
・カシミール産
・ミヤンマー産
・スリランカ産
・スリランカ産
・マダガスカル産
・カンボジア(パイリン)産
・タイ(カンチャナブリ)産
・オーストラリア産
・ベトナム産
・中国産
・ナイジェリア産
・ベルヌイ法合成サファイア
・ベルヌイ法+フラックス法合成サファイア
・表面拡散処理
60人以上もの参加者が、産地と処理の異なる47個のルビー、サファイアを決まった時間内で順々に観察しながらメモを取っていく光景は圧巻でした。(トップの画像参照)
協会関係者の周到な準備で大きな混乱もなく終了しました。
サファイアのうちの6個は各自が産地と処理を当てるクイズ方式で、正解が発表になると一喜一憂の声が上がり大いに盛り上がりました。
因みに私は4問の正解で2問間違えてしまいました。
観察が終わった段階で全員が短いコメントをしました。
合成ルビーを看破する難しさについては多くの方が言及していました。
特に鑑別のプロでも経験が足りないと天然と間違えるカシャン社製のインクルージョンには驚愕の声が上がっていました。
更なる勉強が必要と感じた方が多かったと思います。
最後に中央宝石研究所の北脇裕士(博士)氏よりまとめの講演がありました。
特にルビー、サファイアの加熱の有無の判断方法についての具体的な解説が会場の興味を引いていました。
シンポジウム後に近くの中華料理店で行われた懇親会も多数が参加し、楽しい時間を過ごせました。
普段から様々な産地と処理を見ている私もこれだけの系統だったサンプルを見ることはありません。
協会関係者に感謝します。
次回も是非参加したいと思います。
[次回のご案内]
第2回JGS宝石シンポジウム
11月21日(水)
テーマ:ダイヤモンド
1.美しさとは(同質異級・同級異質)
2.天然・合成(CVD)・処理(HTHP・放射線)
詳細は協会へ直接お問い合わせください。
[問い合わせ先]
一般社団法人日本宝石協会事務局
TEL:03-5825-8150 FAX:FAX03-5825-7637
E-mail:info@japangemsociety.org
〒101-0025
東京都千代田区神田佐久間町4-4東京美宝会館2階