原田コラム

2012/08/20

モザンビーク産ルビー(無処理)

〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。

 

Mozanbique Ruby Untreated

先日、モザンビーク産の無処理のルビーを久しぶりに見ました。

2009年 春にモザンビーク産のルビーは市場に現れ、当初より高品質のものもありましたが、殆どが低品質でした。後に、これを鉛ガラス充填処理した大粒のものが安価に出回りました。
現在、5カラットを越えるような大粒で一見品質が良さそうに見えるルビーの十中八九はモザンビーク産の鉛ガラス充填処理ルビーです。
処理の有無はプロならばルーペで簡単に確認出来ますのでご安心ください。
但し、もともと宝石品質ではないため宝石としての価値は殆どありません。ご注意願います。
一般的にルビーは、歩留まりを重視しどちらかと言うと深いものが多いのですが、モザンビーク産は原石の形からフラットなものが多いのが特徴です。
Mozanbique Ruby Rough

モザンビーク産ルビー原石 (photo: GIA Bangkok)

一番上のルビーは1カラットから2カラットサイズのジェムクオリティのモザンビーク産無処理ルビーです。
アフリカの新しい産地としてはタンザニア産ルビーにも無処理がありますが、タンザニア産のようなオレンジ味がなくビルマ産のいわゆるピジョンブラッドに近いものを感じます。
タンザニア産同様に透明度も高く、魅力的です。
さすがに3カラットを超えると出現率が低くなり価格もそれなりですが、まだこのサイズは割安感があります。
産地の格は短期的には上がりませんが、ポテンシャルを感じる産地です。
ダイヤモンドは言うに及ばず、カラーストンも21世紀はアフリカの時代になりそうです。