原田コラム

2012/11/14

The World Of GRAFF

〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が
世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。

 

GRAFA Star of America 110cts

11月7日より13日まで、GRAFFさんの伊勢丹新宿本店サロンオープン記念として普段お目にかかれないハイジュエリーが伊勢丹新宿本店1階ザ・ステージにて展示されました。
ショーピースは世界最大(100.57cts)のDカラー、フローレスでオクタゴンシェイプのStara Of Americaです。
その迫力は見た者が暫し見とれて立ちすくむ程です。
吸い込まれそうになりそうな透明度と七色の分散光が素晴らしく携帯電話の画像でも見て取れます。
しかし何といってもそのサイズでしょう。
長さは約3センチで女性の指の節は隠れてしまいます。
ちょうどデジタルカメラ等で使うSDカードを少し幅広にした大きさです。
少し縦長な八角形のような輪郭は安定感があり多くの方に好まれるでしょう。
深さは透けない程度に浅く理想的です。
ペンダントに仕立てても収まりが良いので、いつの日かオスカー女優の胸元を飾るのを見てみたい衝動に駆られます。

この他にもハイケース毎にルビー、サファイア、エメラルド、ファンシーイエローダイヤモンドの逸品が多数展示されていました。
世界最大のダイヤモンドを見た後は存在が少々霞みますが、それぞれのケースも数千万円から億を超えるものまで、通常でしたらどれか一つでも息を呑むような品々です。
4階の常設売り場にも見ごたえがあるものがたくさんあります。
豪華なティアラと無処理のコロンビア産のエメラルドが特に印象に残りました。

100億円とは言わないまでも数十億円の宝石を百貨店のフロアーで気軽に見ることが出来るのは世界広しと言えども日本だけです。
ガラスケースに鼻がくっつくほどの近さで見ることが出来ました。
治安の良さと秩序のある行動は日本人の誇りです。
この伝統を守り、いつまでもこの様な展示ができる社会であってほしいものです。

Photo by Mr. J.Shimano