〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が
世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。
ダイヤモンドは2,500~3.000年前にインドで発見されたと言われています。
ボルネオからの僅かな産出を除いて1725年にブラジルでダイヤモンドが発見されるまでインドが唯一の産地でした。
現在のハイデラバード(Hyderabad)近く、ゴーダヴァリー川とクリシュナ川に挟まれたデカン高原の広大な地域の漂砂鉱床から採掘されました。
周辺にはたくさんの鉱山があり、一番有名な鉱山はクリシュナ川沿いのThe Kollur mineで有名なKohinoor(コイヌール)が採掘されたと言われています。
この地域を治めていたゴルコンダ王国(1518‐1687)は後にムガール帝国に吸収されるまでインドで隆盛を誇った王国でした。
その首都GOLCONDAには周辺の鉱山で産出したダイヤモンドが集まり盛んに取引がされました。
GOLCONDAとは鉱山ではなく集荷地の名前だったのです。
さて、このことから鉱山があった場所を探してみましょう。
まず、ゴーダヴァリー川とクリシュナ川の位置を確認します。
•Wikipedia英語版:Geography_of_India
ここに1744年に作られたインドの地図があります。(諏訪貿易蔵)
右上にKINGDOM OF GOLCONDAがあります。
上の現在の河川地図を頼りにゴーダヴァリー川(Godavari)とクリシュナ川(Krishna)を探すと、ありました。
まさにKINGDOM OF GOLCONDAとKINGDOM OF KARNATAの国境沿いをクリシュナ川、その北方にゴーダヴァリー川がありベンガル湾に流れています。
この間の地域に鉱山があったのです。
更に目を凝らして見ると、ありました。
クリシュナ川沿いに”DIAMOND MINES OF COULOUR”とあります。
現在の名前との比較は出来ませんが、確かにDIAMOND MINESとあります。(赤の矢印)
複数形なので幾つか存在していたのでしょう。
河川の上流にはダイヤモンドが地中からマグマによって運ばれてきた一次鉱床があったはずです。
古い地図から幻のゴルコンダを辿ってみました。