原田コラム

2012/11/26

TypeⅡb

〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が
世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。

 

8ct EM D VVS2 TypeⅡb

12月8日(火)のシンワアートオークションさんにダイヤモンドTypeⅡbが出品されます。
TypeⅡbと聞くとプロの方はブルーダイヤモンドを連想されると思いますが、現物は無色のDカラーです。
殆どのダイヤモンドは微量の窒素を含んでおり、窒素量が多くなればなるほど黄色味が増します。
中には窒素を殆ど含んでいないものも僅かに存在します。
純粋な炭素の結晶に限りなく近いものです。
窒素を含むものをTypeⅠ型、殆ど含まないものをTypeⅡ型に分けています。
TypeⅡはダイヤモンド全体の3パーセント未満と言われているほど稀少です。
更にTypeⅡ型はⅡaとⅡbに分けられています。
Ⅱbは微量のボロン(ホウ素)を含み青色の要因となります。
いわゆるブルーダイヤモンドです。
ⅡbはTypeⅡ型の約0.01%とも言われるぐらい大変出現率の低い稀少なダイヤモンドです。
一般的にダイヤモンドは絶縁体ですが、不思議なことにTypeⅡbだけは半導体です。
TypeⅡb と判定されるにはボロン(ホウ素)が検出されることと導電テストをして半導体であることが必要です。

今回のダイヤモンドの特徴は8カラットと言う大粒で透明度が非常に高いことをです。
窒素が入っていないということで黄色味が無いことに加えて微量のボロンが肉眼で感じない程度のブルー味を与えています。
厚い氷河がブルー味を帯びるとより冷たく感じるように、ほんの僅かなブルー味がダイヤモンドに冷たいほどの透明度を与えています。
一般的なDカラーと並べて比較してみました。
煌きに邪魔されないように横にして透明度を比べます。
Dカラー 比較 TypeⅡb vs TypeⅠ
左側のラウンドが一般的なDカラー、右がTpyeⅡbです。
ポケットカメラでの撮影なので分かりづらいのですが、良く見ると右側が青白く透明度が高いのが分かります。
実際に肉眼で見ると一般的なDカラーが黄色く見えるほど違いがあります。
パソコンのモニターによっては違いが分からない場合があります。
「百聞は一見にしかず」この機会にオークションの下見会で体験されては如何でしょうか。

シンワアートオークション
開催日時:2012年12月 8日(土) 14:00~
開催場所:シンワアートミュージアム
下見会:シンワアートミュージアム
12月5日(水)~12月7日(金) 10:00~18:00
12月8日(土)  10:00~12:00

○詳細情報アイテム:ダイヤモンドルース
シェイプ:オクタゴンシェイプ
カット:ステップカット
カラット:8.00cts
サイズ:13.05×10.52×7.11mm
カラー:D
クラリティ:VVS2
蛍光:なし
タイプ:TypeⅡb
レポート:AGT
見積価格:¥30,000,000~¥40,000,000

2カラットのラウンドブリリアントと比較してみました。
大きさを実感してください。8ct EM D VVS2 TypeⅡb 2ct RBとの大きさの比較

AGT Diamond Type Report8ct EM D VVS2 TypeⅡb AGT report