原田コラム

2013/04/02

合成ダイヤモンド (3)

〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が
世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。

 

HPHT(High Pressure High Temperature高温高圧法)
自然界に近い高温高圧の環境を作り出すので設備が大規模になり高額な資金が必要

《製造方法》
・圧力:5.0~6.5ギガパスカル
・温度:1,350~1,800度
・溶媒:鉄、ニッケル、コバルト・鉄、ニッケルなどを触媒とし、装置内の上部に原料となる炭素を下部にダイヤモンドの種結晶を置き高温高圧で結晶化させる

Gemesis社のHPHT装置

 

HPHT Gemesis

《市場にあるHPHT Synthetic Diamond》
・サイズ:0.01~4cts
4.09ct Fancy Vivid Yellow-Orange VS1 (GIAでグレーディングした最大のもの)
・カラー:Colorless~Near colorless (EFGHI)無色は時間がかかる。0.4~0.8ct
Fancy color (Yellow, Orange, Blue, Pink, Red, Green)
・クラリティ:VVS-I
・タイプ:TypeⅠa, Ⅰb, Ⅱa, Ⅱb

〈鑑別法〉
・Metal inclusion:ニッケル、鉄、コバルト
・Internal color zoning:八面体に平行に成長した領域と六面体に平行に成長してきた領域とが生じることで
見られるセクターゾーニング(成長セクターが均一でない)、砂時計状の成長ゾーニング
・Fluorescence pattern:DTC製ダイヤモンドビューで蛍光像を見るとセクタークロスの発光が見える。

六面体のクロス

 

CVD cross

・ Strong phosphorescence(強い燐光)

〈まとめ〉
・ますます出回ってくる
・色々な元素をいれてトライしている。