〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が
世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。
1月24日(金)にGIAが主催した講演GIA GemFestの内容を3回に渡ってレポートします。
GIA Executive Vice President and Chief Laboratory and Research Officer Tom Moses氏 によるGIAラボのアップデート(最新情報)
1.ダイヤモンドの色を改良するHTHP(高温高圧)処理の多様化の研究
処理業者からサンプルを取り寄せて研究しているがどのような処理をしているかの情報はない。
高温高圧処理された後のダイヤモンドはさらに放射線照射処理をも行うようになってきて、より高度かつ正確な分析技術が必要。
また、今後はどのような処理法は現れるかを要注目。
2.イエローとグリーンダイヤモンドの研究
天然のダイヤモンドの色には何が起因するか調べている。
グリーンに関しては地下で天然の放射線を長い時間受けて加熱圧力を受けて色が変わるものと人工で処理されたものの違い
イエローの色の起源は窒素であることは知られているが、結晶成長時に取り込まれる窒素も1個の窒素が1個の炭素と入れ替わる置換型(TypeⅠb)が地下で長い間圧力を受けて凝縮していく(TypeⅠa )が天然の特徴を調べて合成のものとの違いを研究する。
2008年からジンバブエからグリーンのダイヤモンドが出てきて、2012年にはムロア地区から40万カラットのグリーンのダイヤモンドが出てきた。
原石を取り寄せて天然のグリーンの特徴を分析した。
天然のグリーンダイヤモンドが研磨されたら人為的に放射線照射処理されたダイヤモンドとの違いは分からないが、原石段階では地下自然界で放射線照射を受けた後の原石表面にスポットがあったり、グリーンものと褐色のものが存在したりすることが特徴である。
原石をレーザーでスライスしてどのくらいの厚みでグリーンが存在する等の研究をしている。
GIA GemFest続く。