〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が
世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。
3 ダイヤモンドのファンシーカットのグレーディングの研究
ファンシーカットは面が多く面と面の角度が低くなり従来のラウンド用の装置では計れない。
例えばガードルはラウンドより波が不規則で厚みの差が大きい。
評価するためにはシェイプ毎に一つの正確なのモデルを作らなくてはならない。
装置による評価と肉眼で見た評価の一致が重要
シェイプによって見方も変わる。それぞれのシェイプの応じた計り方と計算の仕方が必要。
全てのファセット面の光の具合を計る装置を開発した。
輪郭、ファセットパターン、ウインドウの評価の研究を進めている。
4.カラーストンの産地鑑別の研究
古い鉱山だけでなく新しい鉱山からもサンプルを集める
母岩の起源を調べたり、同じタイプの母岩で異なる鉱山の違いを調べる。
○大理石を母岩としたルビーはミャンマー、アフガニスタン、タジキスタン、ベトナムなどで産出されたルビーの違いがあるか
特徴、インクルージョン、成長の形、組成の違いを調べる。
○ザンビアのエメラルド
ザンビアのムサカシ(Musakashi)鉱山で産出しているエメラルドはコロンビアの特徴とそっくり、三相インクルージョンも存在。
屈折率、分光スペクトルなども殆ど同じ。
コロンビア産と見分けるには微量元素を計らなくてはならない。
5.パールの研究
産地のサンプルを集めて特徴を調べる
オーストラリアの西岸のパスパレーの南洋真珠をバンコクチームが数年かけて研究。
天然真珠は貝のどの部分に作られるか。養殖真珠との違い。
2万個以上の野生のPinctada Maxima貝を集めて内部を調べた。
天然真珠は貝殻の軟体動物体内で異なる数箇所で見つかり、養殖真珠と異なる。
その特徴を調べている。
GIA GemFest続く。