〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が
世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。
6月20日(火)に行われたChristie’s New Yorkのオークションでロックフェラ
家に伝わる有名なエメラルドが出品され、エメラルドの1カラット当りの価格のオークションレコードで落札されました。
落札者はHarry Winstonで、Rockefeller-Winston Emeraldと命名されました。
このところHarry Winstonによる歴史的な宝石の落札が続いています。
買い易い価格路線を進むと思われていましたが、原点回帰でしょうか。
エメラルド
コロンビア産
18.04ct
処理:透明度の改良の痕跡なし(Gubelin&AGL)
リングYARD製
落札価格(手数料込み):$5,511,500(約6億円)
1カラット当り$305,500(オークションレコード)
落札者:Harry Winston
私も実際に下見会で見てきましたが、私がこれまで見たコロンビア産のエメラルドの中でも最高の品質です。
由来を以下に記します。
2代目John D. Rockefeller氏は1930年にニューヨークの美術商を通して個人が所有していたエメラルドのブローチを購入しました。
その当時でもこのサイズのエメラルドでこれ以上の品質は見た事がないと美術商がコメントしています。
ブローチはVan Cleef & Apel製ではないかと言われています。
Rockefeller氏はブローチを妻のAbby Rockefferにプレゼントしました。(下のポートレート参照画像:Natasha Kuzmnovic著のYARDより)
Abby Rockefellerが亡くなった後にブローチは解体され子供たちに分けられました。
中心の一番大きなエメラルドは今年3月20日に101歳で亡くなった3代目 David Rockefeller氏が受け継ぎRockefeller家のお抱えのジュエラーYARDによってリングに作りかえれてました。(上の画像参照)
YARDとYARDのジュエリーについてはNatasha Kuzmnovic著のYARDに詳しくあります。
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