〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。
前回のブログで「ダイヤモンドのファンシーカラーでもカラーレスでも、更にはカラーストンも含めて小粒の宝石の稀少性は、もともと高くない」と記しました。
この表現は、物議を醸すだろうと思いましたが、いずれ触れなくてはならないと思い、承知で使いました。案の定、いつも読んでいただいている方から質問がありましたので、これから3回に分けて、私の考えを記しますので、皆さんも一緒に考えてみてください。
まず、宝石の「稀少性」とは何でしょう。
①「産出量」が少ないこと。
②「価格」が高いこと。
③「美しい」こと
どれも稀少性を構成する要素です。
①の「産出量」は供給側の問題です。
産出量は宝石ごとに異なります。
産出量が少なくても一握りのコレクターに人気のある宝石は、高価ではありません。
反対にダイヤモンドのようにある程度量が採れる宝石でも、欲しい人が多い宝石は高価です。
欲しい人=「需要」側、と「供給」側のバランスで②の価格が決まってきます。
③「美しさ」は宝石ごとに異なります。
アメシストの美しいものとルビーの美しいものの産出量に占める比率(出現率)はアメシストの方が高くなります。
「美しく稀少なもの」が「宝石」ですが、宝石種ごとにその稀少性は異なります。