〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。
「ピジョンブラッド」や「ロイヤルブルー」のようなTrade Colour用語についてGUBELIN GEM LABは以下のような定義をしています。
もとは英文でしたが、分かりやすいように和訳してみました。
誤訳の可能性もありますので、引用はご遠慮ください。
GUBELINの「ピジョンブラッド」の定義の前に彼らの用語の考え方をご紹介します。
Trade Colours
何世紀もの間、宝石商達はいくつかの宝石の際立った色を表現するために特定の用語を使っていました。
それらの”トレードカラー用語”は、宝石のある特定の品質、主に色合い、またそれに加え透明度、サイズ、または処理の有無といった品質を包括的に伝えるために、宝石の取引に携わるほとんどの人々に使われてきました。
トレードカラー用語は広く認識され国際な取引でも使われてきましたが、これらの用語の解釈については僅かなばらつきがあり、時代や地域の違いについても考慮に入れなくてはなりません。
約80年の間、GUBELIN GEM LABはトレードカラー用語についての歴史を研究し、その進化を見てきました。
採掘地域、また宝石商の間での使われ方や歴史的文献について膨大な調査をし、コランダムに関するいくつかのトレードカラー用語について一貫した定義を確立し、それらの色を正確に決定づけられる厳密な基準と手順を規定しました。
GUBELIN GEM LABは、それらの用語を使うにあたって一貫性を確立し、曖昧さを無くしました。
伝統的かつ先進的な技術によりGUBELIN GEM LABの基準に準拠して分析・チェックされる色の他にも、”トレードカラー用語”を決定するのにいくつかの要素が考慮に入れられています。
それらは以下の要素です。
天然の非加熱のルビーとサファイアのみが”トレードカラー用語”を冠する資格があります。
ファセットされたものの他にアステリズムのあるカボションもその資格がありますが、ただし高い透明度が必要とされます。
もちろん、その重量も考慮に入れられます。ルビーは最低1.00カラット、サファイアは最低3.00カラットが必要です。
如何でしょうか。
ヨーロッパの人らしく、深く考えられています。
サイズを除いて、考え方は尊敬に値します。