原田コラム

2007/08/05

バンコク買い付け ルビー、サファイアマーケット状況

〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。

 

不景気にも拘わらず、依然として良質のルビー、サファイアは不足しています。
新興国で底辺の需要を支えていた中国やロシアもここに来て、より良質なものを求めてき始めているので、一層状況は悪くなっています。

加熱処理ルビーは、相変わらずモンスー鉱山産(ミヤンマー)が主流ですが、直近の現地の原石オークションでは、リザーブプライスが高すぎるために殆どが落札されずにいます。

加熱処理サファイアの既存の産地の供給減を補っているのが、アフリカ産です。
最近はパイリン(カンボジア)産が枯渇して殆ど供給がないのを近い色合いのナイジェリアのMabira産の良質のものが補っています。
同じMabira産でも低品質のものはオーストラリアのロットに混ぜられて販売されています。

マダガスカルは当初、スリランカ産に混ぜられて販売されていましたが、既に産地として確立して販売されています。

加熱を施さない無処理のルビー、サファイアの需要は世界的に増加していますが、本来の宝石品質は限られているので、価格は上昇の一途です。
以前はルビーの最高品質で10カラットを越えるとダイヤモンドを凌ぐと言われていましたが、今は既に5カラットサイズで逆転しています。
今後は更に小さなサイズも高騰が予想されます。