〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が
世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。
昨日のニューヨークのクリスティーズオークションはサブプライムローン問題の影響も感じられない落札率90%(ロット数)と言う好結果で終わりました。
ハイライトの幾つかをご紹介します。
ダイヤモンド ペアシェイプ 53.71カラット D Flawlessが
US$5,753,000(手数料込み) 約6億3千3百万円
1カラット当たり$US107,000 約1千2百万円 で落札されています。
少し太めですが、50カラットを超える稀少サイズです。
実物を見ていないので、なんとも言えませんが写真で見ると透明度が良くない印象です。
落札者は、Amer Radwan氏、Dubaiのダイヤモンド業者です。
すぐに「Dubai Magnificence」と命名しました。
一番上の写真は、稀少品質の無処理のルビーです。
拡大した写真からも透明度が伝わってきます。
12.43カラットのクッションシェイプです。
落札価格は、US$2,001,000(手数料込み)約2億2千万円
1カラット当たりUS$160,000 約1千8百万円です。
上のダイヤモンドと比較しても1カラット当たりの価格が遥かに高いのがお分かりになるでしょう。
それだけ稀少だということです。
落札されたのは、一般のアジアの方です。
これは、オーバルシェイプの3.86カラット Fancy Intense Pink VS1です。
このピンクダイヤモンドは、南アフリカやブラジルで採れる窒素を含まないタイプ(TypeⅡa)です。
オーストラリアのアーガイル鉱山から産出するややブラウン味のあるピンク(TypeⅠa)と異なり、優しい桜色系の上品なピンクです。
私は、アーガイルのピンクより遥かにこのタイプが好きです。
また、アーガイル鉱山では殆ど採れない大粒が採れるのも魅力です。
落札価格は、驚きのUS$1,497,000 約1億6千5百万円
1カラット当たり$388,000 約4千3百万円です。
落としたのは、ヨーロッパの業者です。