〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が
世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。
昨年末の週刊文春の対談で株式会社サン モトヤマ会長の茂登山長市郎さんが物を購入するときの極意を伝授していました。
私が宝石を買うときに通じるものがありますので、原文のままご紹介します。
物を買うときに絶対先に値段を見ない。
最初はそのものがいいか悪いかで選ぶ。
そしてもしそれが高かったら、十買うのを三にする。
安ければ三買おうと思ったのを十にする。
値段はあとでみる。
これがものを選ぶときの極意です。
私もカラーストンを買うときに最初に値段は尋ねません。
まず、美しいか否かをチェックして、納得する美しいものだけ値段を訊きます。
但し、私の扱っている宝石は相場があるので、価格交渉はします。
ダイヤモンドの場合は、「値段」を「カラー、クラリティー」に置き換えます。
ダイヤモンドを買うときに、Fカラー以上、SI1以上と最低条件をつけて商品を集めます。
商品を見ているときは、カラー、クラリティーの表示は見ません。
美しいと思ったダイヤモンドだけ後から価格交渉をします。
そして、これはと思ったものは相場より少し高くても買います。
金額の多寡よりも美しいか否かが宝石の場合は決定的です。
また、ゴルコンダのような特別な素材で無い限り、装身具としては過度にプレミアムがついているDカラー、インタナリーフローレスは買いません。
同じ予算ならVSやVVSの中で出来るだけ大きなダイヤモンドを買います。
もちろん美しさを確認した上での話です。
茂登山さんは、先入観を持たずにものを見ろ。と主張しています。
皆さんも、お店でダイヤモンドを見るときに4Cの情報を見ずに選んでみてください。
お店の勧める順番と異なる結果になるかもしれません。
上の写真は3カラットサイズのType Ⅱa(ゴルコンダタイプ)のD IF です。
私の写真では透明度が表現しきれないのが残念です。