〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が
世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。
DTC(De Beers)が主催しているダイヤモンド・パーソナリティ賞の授賞式に行ってきました。
今年の受賞者は鈴木京香さんです。
至近距離で見る鈴木京香さんは、圧倒的に美しかった。
日本女性らしい優しい美しさの中にも凛とした背筋が伸びたものを感じます。
写真の通り、贈られたネックレスは中心が2カラットのラウンドブリリアントで合計20.11カラットの大変立派なジュエリーです。
もしこれが、より大粒のマーキスシェイプやペアシェイプを100カラット程度使ったもっと豪華なネックレスだったとしても、鈴木さんでしたら素敵に着けこなせると思います。
25年前の第1回の受賞者は絵本作家の赤松末吉さんと横笛奏者の赤尾三千子さんでしたした。
その後も射撃手、建築家、バレリーナ、作家に加えて野球、サッカー、ゴルフ、柔道の選手が続いています。
中でも第4回の本田宗一郎さんの受賞はユニークです。
この賞が始まった1983年は、これからバブル経済に突入する前で日本の宝飾市場が拡大する直前でした。
当時De Beers(DTC)はダイヤモンド原石を8割方独占しており、これから成長するであろう日本市場に先行投資していました。
期待に応えて、日本の宝飾市場もバブルのピークには3兆8千億の規模を誇りました。
受賞者の人選には、市場をゆっくり育てようというDe Beers(DTC)の余裕が感じられました。
ここ10年を見てみると黒木瞳さん、林真理子さん、江角マキ子さん、松嶋菜々子さん、吉永小百合さん、宮沢りえさん、森光子さん、高橋尚子さん、伊藤美咲さんと10人中8人が女優です。
日本の市場規模は1兆円程度と身の丈ほどになり、人選にも費用対効果が重視されているのでしょうか。
ちなみにお一方だけ2度受賞されています。
吉永小百合さんです。
困ったときの吉永小百合さんなのですね。
個人的には、ダイヤモンドを贈りたくなるような背景を伝えていた過去の宣伝の方が印象に残っています。
異業種ですがサントリーさんのCMは、普段ウイスキーを飲まない私でさえ、たまには飲んでみようかなという気にさせる物語性を持っていて、宣伝の上手さを感じます。