原田コラム

2008/04/10

Basel Show 2008 ②

〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が
世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。

 

Basel show 2008 VHRNIER ダチョウ

Basel show 2008 VHRNIER

VHERNIER

ホール3はファッションとしてのジュエリーのブランドが集まっています。

どのメーカーも貴金属で独自のフォルムを作って、その上に2ミリ前後のメレーダイヤモンドをパヴェセッティング(彫り留め)したものが殆どです。
廉価版は貴金属だけで、豪華版は全面がパヴェにして価格の差をつけています。
これらの装身具は流行に合わせて装うことを大事にしています。
この分野では、「宝石の価値」云々を持ち出すことは野暮と言うものです。

パヴェのオンパレードからひときわ異彩を放っているのがイタリアのVHERNIER(ヴェルニエ)です。
毎年、時間がなくてもこのブースだけは見ることにしています。

昆虫や動物の造形をつくったロッククリスタル越しにオパール等の模様が浮かび上がる手法が有名です。
ジュエリーとはこうあるべきと言う既成概念を破って、美しさを追求する手法を自由に発想しているメーカーです。
宝石の概念に固執しない潔さが独自の世界を作り上げています。
宝石の価値に拘っている私の世界とは正反対ですが、尊敬できるメーカーです。