〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が
世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。
バーゼルの会場では、沢山の無処理のルビー、サファイアを見ることが出来ますが、無処理というだけで美しさに欠けるものも多く存在します。
その中で、透明度が抜群でこれぞ「ピジョンブラッド」というルビーに出会いました。
写真では、実物の美しさの10分の1も伝えられませんが、バーゼルショーで見たこのサイズの中で一番のものです。
世界中の宝石が集まるバーゼルならではのルビーです。
サイズは約11×9ミリのクッションカットです。
深さが約4ミリと理想的で、エレガントなジュエリーに仕立てることが出来るサイズです。
表面に達するクラックも存在しますが、このサイズのルビーでは気にすることは出来ません。
ルーペではシルクインクルージョンは確認できませんでしたが、透明度に影響がない程度にフィンガープリントが存在します。
形、大きさ、美しさから還流品の可能性が高いと思います。
いつ頃採れて、何度リモデルされたか思いをはせると想像が膨らみます。