〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が
世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。
引き続き、香港のオークションの注目の宝石です。
今回が最後で、カラーレスのダイヤモンドです。
〇ロット番号2341 ダイヤモンド裸石
ダイヤモンド 12.15カラット
D Flawless EX EX EX
〇ロット番号2342 ダイヤモンド裸石
ダイヤモンド 16.04カラット
D VVS2 EX EX EX
カラー:D
クラリティ:フローレス
カット:エクセレント
ポリッシュ:エクセレント
シンメトリー:エクセレント
美しいか否かは別にして、グレーディングレポート上では5つの要素で最高ランクのラウンドブリリアントカットダイヤモンド2点です。
写真の左側が12.15カラット、右側が16.04カラットです。
16.04カラットの現状のクラリティグレードはVVS2ですが、再研磨後はフローレスの可能性があるとGIAがコメントしていますので、オークションではフローレスとして競られます。
16.04カラットは間違いなく還流品で、もともとフローレスが使っているうちにVVS2になった典型的なケースと思われます。
多くのフローレスやインターナリーフローレスが使っているうちにVVSクラスになります。
もちろん、再研磨すると殆どが元に戻りますが、カラットに拘る方は、例えば10.00カラットより10.35カラットのように再研磨用に少し余裕があるものを選ぶと良いでしょう。
〇ロット番号2343
ホワイトゴールド ダイヤモンドティアラ
カラット:101.27
カラー:F
クラリティ:VVS1
ポリッシュ:エクセレント
シンメトリー:エクセレント
インターナショナルオークションでも100カラット以上のダイヤモンドの出品は数えるほどしかありません。
カタログによるとこの101.27カラットのシールド(盾)カットのダイヤモンドは、南アフリカのプレミア鉱山の460カラットの原石から研磨されたそうです。
ホワイトゴールドのティアラの中心にセットされています。
このダイヤモンドも博物館級ですね。
実物大に百円玉を並べて撮ってみました。
大きさを実感してください。