原田コラム

2008/06/24

テルアビブ 2008 ②

〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が
世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。

 

テルアビブのダイヤモンド取引所は、ファンシーシェイプの取扱量が多いのが特徴です。
ファンシーシェイプとは、その宝石のメインの形以外を意味します。
ダイヤモンドの場合は、ラウンドシェイプが殆どなので、ラウンド以外の形は全てファンシーシェイプです。

ダイヤモンドのファンシーシェイプは大きく2つのグループに分かれます。
ラウンドシェイプに代表されるブリリアントカットとエメラルドカットに代表されるステップカットの2つです。
ブリリアントカットは、全ての稜線がガードルを跨いでいる事が特徴で、内側から湧き出る強い煌きが魅力のカットです。
ステップカットは、ガードルに平行した階段状の面がつけられている事が特徴で、吸い込まれるような透明度が強調されます。
ブリリアントカットには、ラウンドのほかにペアーシェイプ、オーバルシェイプ、マーキスシェイプ、ハートシェイプ等があります。
ステップカットは、エメラルドカットのほかにバケット、スクエアー、テーパーバケット等があります。
その他にどちらにも入らないもので人気があるのは、プリンセスカットです。

今日は、ブリリアントカットのファンシーシェイプから買い付けを始めました。

ファンシーシェイプのロット(ケース入り)

ダイヤモンドは、もともとは紙のパーセル(畳紙)に入っているのが基本ですが、ダイヤモンド同士が当たって角や尖った部分が欠けることを防ぐために特にファンシーシェイプの品質の高いものは、このようにプラスティックの容器に入れてあります。
ここに写っているダイヤモンドは0.3から1カラット未満の中粒のものですが、最高品質のため総額は数千万円になります。
今更ながらダイヤモンドは高価です。

ファンシーシェイプ3/8ブリリアント

0.4カラットサイズのロットを取り出します。

ファンシーシェイプのロット

紙の上にざらっと出して選別を行います。
宝石が転がらないためと、選別のメモが書けるので、必ず紙(ソーティングパッド)の上で作業を行います。
写真のように、既に選別用に区分けのマス目が印刷されたものもあります。

ファンシーシェイプ ルーペで覗く

ルーペで覗くとこのように見えます。
無色で透明度が高いのが確認できます。

次は、選別のポイントをご紹介します。