〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が
世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。
明けましておめでとうございます。
昨年中はたくさんの方にご覧頂きありがとうございました。
本年も宝石の美しさと価値についてお伝えしていきますのでよろしくお願いいたします。
さて、昨年は一昨年から続き、稀少品質の宝石が大幅に値上がりしました。
特に上がったのは、10カラット以上のダイヤモンドの原石でした。(研磨済みで3カラット以上)
夏までは、研磨済みの相場をも無視した高騰が続きました。
まさに投機でした。
投機なので、金融危機後は急落して現在一番大きなサイズは半値近くになりました。
研磨済み価格は、値上がりした原石価格を全て反映してはいなかったので、今のところ比較すると緩やかな調整です。
これからは、同じサイズ、カラー、クラリティーで美しいものとそうでないものとの差が大きくなると思います。
美しくないものは、半値でも売れなくなるでしょう。
反対に本当に美しいものの大きな値下がりは期待できません。
本当に美しいものは、稀少だからです。
これは、大きく値上がりしたビルマ産の無処理大粒のルビー、サファイアやカシミールサファイアも同様です。
それよりも、為替相場が変動が大きな意味を持ちます。
資産性も視野に入れてこれから宝石を求める方にとっては、過去最高レベルの円高の恩恵を享受できる機会が訪れました。
1995年以来13年ぶりの円高です。
私はドルで商品価格を提示しているので、ここ数ヶ月の間に為替相場の変動だけで円価では2割近くの値下がりです。
大粒の場合は、相場の下落も考えると、買う方は最大限の恩恵を受けることが出来ます。
幸い、2年前からスタッフには「資産バブルの崩壊に備える」と明言して、高い相場の仕入れを避けてきましたのでお客様にはご迷惑をかけずにすみました。
但し、ここまでの急激な円高は想定外です。
これからも「透明性」を大切に品質と価格に責任を持って、預かった稀少品質の宝石を受け継ぐ人にお渡しして行きます。
写真は、3カラットサイズのビルマ モゴック鉱山産 無処理のルビーです。
所謂、ピジョンブラッドと言われているルビーです。