原田コラム

2009/01/22

婚約リングの選び方①

〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が
世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。

 

ソリテールリング

多くの方にとって、宝石の装身具にまとまった金額を使う初めてのケースが婚約リングです。
今回は、失敗しない婚約リングの選び方を4回に分けて説明します。

「小粒のダイヤモンド立爪リングを買わない」

殆どの宝飾店には婚約指輪又はブライダルコーナーがあります。
そこには、いわゆる立爪リングと呼ばれている指輪が所狭しと並んでいます。
多くの方がこの中から予算と好みに合った指輪を選んでいきます。

ここで、皆さんにお伺いします。
「結婚式の後で立爪リングを日常的につけられている方を見たことがありますか?」
殆どの方が、「見たことない」又は「何回かは見た」と答えると思います。

大枚を叩いて購入したのに、何故でしょうか。
答えは、そのスタイルにあります。

立爪リングは、英語でSolitaire Ring(ソリテールリング)でラテン語の「Solitarius(ひとりぼっちの)」に由来します。
音楽のソロに通じ、その役割をたった一人で行うことを差します。
ソリテールリング(立爪リング)の場合は、一粒のダイヤモンドだけで美しくなければなりません。
では、一粒のダイヤモンドで美しいのは、どのサイズからでしょうか。

以前に、小さいサイズから並べてどのサイズから美しさを感じるかを実験してみました。
結果は、直径6ミリぐらいから存在感が出てきて一粒でも美しさを感じました。
もちろん大きければ大きいほど美しさは増してきます。
直径6ミリのダイヤモンドは約0.7カラットです。
このことから、ソリテールリング(立爪リング)のスタイルでは0.7カラット以上がお勧めできるサイズです。
とはいえ、実情は多くの方が0.2カラットから0.5カラットのソリテールリング(立爪リング)を購入しています。
そのために、後々につけることが出来なくなっているのです。

婚約指輪とは限りませんが、年配のご婦人が1カラット以上の大粒のソリテールリング(立爪リング)を誇らしくつけられているのを見ることがあります。
それは十分なサイズがあるからこそ、なのです。