〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が
世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。
「究極の方法」
3回に渡り婚約指輪の選び方についてご説明してきましたが、何も覚えなくても簡単にふさわしいリングを見つけることが出来る究極の方法をお教えします。
それは、お母さんと一緒に行って、お母さんにとっても魅力的なものを購入することです。
お母さんとの同行が叶わなければ、身近な年配の女性で結構です。
決して、0.2~0.5カラットの小粒のソリテールリング(立爪リング)は選ばないでしょう。
お母さんが着けられると言う事は、これからずっと楽しめるということです。
既にいい年齢になったお子さんの色々な場面にお母さんが付いてくることには反対の意見がありますが、婚約指輪選びで失敗したくない場合は是非お母さんと一緒に行ってください。
きっと、良いアドバイスをしてくれます。
彼も本当に彼女のことを考えるのなら、「お母さんにも見てもらおうか」と言って下さい。
その方が生きたお金の使い方になります。
婚約指輪の選び方が本来の宝石の装身具の選び方から逸れてしまった理由の一つは、贈る男性が購入する場面に拘わるからです。
結婚した後は奥さんが自分で選ぶので心配がありませんが、こと婚約指輪の購入は男性にとって最初で最後の晴れ舞台です。
困ったことに男性にとって、買い物は楽しみではなく勝ち負けです。
家電売り場で店員と交渉する姿を思い出すと良く分かると思います。
騙されないように出来るだけ知識を仕入れて、比較しようとします。
そのためダイヤモンドにも4Cであるとか、カットグレードであるとかに判断基準を求めがちです。
その結果、付加価値がたっぷりついた小粒のダイヤモンドのソリテールリングを比較することに奔走しています。
まずは、宝石の装身具にはスタイルがあることを第一に考えてください。
考えるのが面倒くさかったら、お母さんを連れて行ってください。
10年、20年後に、このリングを選んでよかったと言う方が一人でも増えることを願っています。