〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が
世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。
今回は、ルースストン(裸石)を扱うときにピンセットと同じぐらい良く使う道具「スコップ」をご紹介します。
ルースストンをまとめてすくい取って、タトウ紙やビニール袋に収納します。
特に小粒宝石の選別には無くてはならないものです。
「スコップ」は「シャベル」と言うこともあります。
土砂を掘る「shovel」に、砂糖や小麦粉をすくう「scoop」と英語そのものです。
写真のようにサイズは、長さ5センチ足らずのものから10センチ近いものまで様々です。
扱う量によって使い分けますが、プロのバイヤーでしたらなるべく大きなものをお勧めします。
出来るだけ多くの量を一度にすくって、作業効率を良くします。
慣れてくるとメレーダイヤモンドでしたら50カラットぐらいまで一度にすくう事が出来ます。
もちろん私は、一番大きなサイズを愛用しています。
また、少し頼りないぐらいに板が薄く、先端が鋭利に削ってあるものがベストです。
今回は、実際にすくうところを動画でお見せします。
まず、初めはメレーダイヤ約30カラットをすくって、元に戻す動作をご覧下さい。
本来は、選別用の白い紙(ソーティングパッド)の上で行いますが、ダイヤモンドが分かり易いように黒い紙の上で行います。
勢い良く飛び出さないように短い辺を使って、指で細かく叩きながら紙の上に戻します。
動画:メレーダイヤモンドをすくってから置くまで
https://www.youtube.com/watch?v=6FS-E5S-X3I
次は、すくってからビニール袋に入れる動作をご覧下さい。
今度は、こぼれない様に長い辺を使ってビニールに流し込みます。
動画:メレーダイヤモンドをすくってから袋に入れるまで
https://www.youtube.com/watch?v=pnDxPi9-d2Q
如何でしょうか。
少しバイヤーの作業が実感できたでしょうか。
これからも少しずつ動画を増やして行きたいと思います。