原田コラム

2009/10/16

プロの道具箱 (4) その3

〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が
世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。

 

ジュエリーにセットされた宝石

ジュエリーに爪留めされた宝石もゲージの先端右の部分で測定が可能です。

石留めされた宝石の直径を測る

直径はこの様に挟んで測ります。

石留めされた宝石の深さを測る

深さは、裏側の穴を利用して測ります。
穴のサイズが小さいものや深いものにも対応できるように装着できる別の金具も付いています。

○なぜアナログか

私はジュエリーは工芸品なので工業用品のような精密なサイズは必要ないと考えています。
完成度の高いジュエリー作りには宝石のサイズにも正確さが求められますが、百分の一までは不要です。
また、原石の歩留まりと研磨の効率からしても無駄です。
アナログの良いところはサイズに関して不必要に厳しくならないで済むところです。

デジタルの数字を読むことは疲れるので、バイヤーのように長時間作業をする仕事にはアナログの方が向くと考えるのは私だけでしょうか。

サイズの範囲をゲージに記す例えば、サイズの範囲をプラスマイナス0.1ミリとした縦3ミリ横2ミリの小粒のバケットやマーキスを選別するときには、水性ペンでゲージに範囲を記してしまいます。
ゲージの針がこの範囲に留まるか否かを判断しているだけなので数字として見ていません。
アナログを好むかデジタルを好むかは人それぞれですが、仕事の道具となればその選択は私にとって大事なことです。