〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が
世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。
-失敗しないジュエリーの作り替え-
ジュエリーの作り替えで気をつけなければならない3つの項目
1.作り替えに値するものか
2.スタイルは合っているか
3.手作りはリスクが高い
1.作り替えに値するものか
価値に関わらず特別な思いから作り替えて身に着けたい場合もありますが、果たしてその宝石が作り替える価値があるかないか確認してください。
何でも無条件に作り替えるのは、プロの仕事ではありません。
また、硬度が不十分な宝石はリングやブレスレットには向きません。
ペンダントやブローチが向いています。
具体的には、タンザナイトやペリドットが該当します。
タンザナイトやペリドットでも大粒で品質が高いものは、キズがついても外して研磨し直しが出来るので全くリングに出来ないわけではありませんが、使っているうちにキズがつくのは避けられません。
2.スタイルは合っているか。
流行のジュエリーを真似て作るのはお勧めできません。
宝石の装身具はスタイルを間違わなければ、次の世代にも受け継がれて行くものです。
小粒は沢山集めて中粒は幾つか揃えて大きな輝きを作り、大粒はその美しさを引き立てるスタイルが基本です。
もともと構想がしっかりした出来の良いジュエリーは、作り替える必要がありません。
作り替えなければならないこと自体が問題です。
将来、流行遅れに感じて身に着けなくなったり、再び作り替えせざるを得なくなったりしないように気をつけましょう。
3.手作りはリスクが高い
我々は「手作り」と言う言葉に弱いようです。
「手作り」だから良いということはありません。
腕の悪い職人がつくった「手作り」は目も当てられません。
完成度の高い鋳造の枠の方が良いケースが多くあります。
海外旅行で目にする「HAND MADE」も全く同じです。
もし、「手作り」でお願いする場合は、店に頼んで見本となるジュエリーを手に取ってください。
これだけでイメージ違いが少なくなります。
また、自分だけのオリジナルに拘って奇抜なデザインも避けなければなりません。
ジュエリーは長く使うものなので、むしろ伝統的なデザインを如何に洗練させるか考えましょう。
最近は、婚約リングや結婚リングにオリジナルを求める傾向があるようですが、
奇抜なものは避けて一生使えるものを選びましょう。
幸せな気持ちは分かりますが、落ち着いてご購入下さい。