〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が
世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。
5月11日(火)、ジュネーブでサザビーズのジュエリーオークションが行われました。
落札金額合計CHF59,995,700 (約54百万ドル、約50億2千万円)、落札率87.9%(ロット数)と期待以上の結果でした。
貨幣に対する不信から稀少性の高い宝石にも資金が流れ込んで高値を呼んでいます。
代表的な結果を3回に分けてお伝えします。
○Diamond Ring
Diamond Oval-shaped brilliant cut 33.77cts
G color VS1(GIA)
落札価格(手数料込み):CHF2,098,500($1,888,650 約1億7,600万円)
1カラット当たり:$55,927 (約520万円)
このダイヤモンドは、1867年に南アフリカで最初にダイヤモンドが発見されたオレンジ河で採れた原石115.70(下の写真)カラットから研磨されたとの解説があります。
○Diamond Ring by Van Cleef & Arpels
Diamond Oval-shaped brilliant cut 10.73cts
D color Internally Flawless Excellent cut
落札価格(手数料込み):CHF1,538,500($1,384,650 約1億2,900万円)
1カラット当たり:$129,045 (約1,200万円)
○Diamond Ring
Diamond Emerald cut 52.82cts
D color Flawless
Polish and Symmetry Excellent Type2a (GIA)
落札価格(手数料込み):CHF8,818,500($7,936,650 約7億3,800万円)
1カラット当たり:$150,258 (約1,400万円)
10カラットを超えるD IF又はFlawlessは小粒のものよりType2aの割合が多くなります。
逆に考えると、Type2aのような混じりけの無いものは大きな結晶になる、と言えるのではないでしょうか。