原田コラム

2010/06/22

婚礼用指輪から婚約記念日の指輪へ

〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が
世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。

 

立爪リング

結婚して二人で新たな生活を始める時は、様々なものを購入しなくてはならないのが一般的です。
住居(含賃貸)、家具、寝具、食器、家電などが代表的でしょう。

それらを購入するときには以前は婚礼用家具5点セット、婚礼用寝具セット等の新婚向け商品が定番だったのかもしれませんが、現在では多くの人が一般の商品の中から好きな商品を選んで購入しています。
お店も予算や大きさで新婚向けの商品を括っていることはありますが、婚礼専用の商品と言うのは殆どありません。

翻ってジュエリーはどうでしょう。
どの小売店でも立爪リングを中心としたブライダル専用リングが沢山揃っています。
更にはBridal Ring専門店なるものも林立しています。
Bridal Ringを直訳すると「婚礼用指輪」です。
もともとが儀式用と考えると、結婚式後の日常生活の使用には適さないのも頷けます。
他の商品では既に殆ど存在しない婚礼用が、ジュエリーにあること自体が時代遅れです。

では、結婚に指輪は必要ないのでしょうか。
指輪は他の装身具に比較しても思いのこもった特別な装身具です。
その証拠にウエディングドレスと同じようにネックレス、ティアラはレンタルが主流ですが、指輪のレンタルは殆どありません。
婚約や結婚の記念日に指輪を贈ることは、今後もなくならないでしょう。
愛情のこもった記念の指輪です。
儀式の専用ではなく、生涯楽しめて、さらに次の世代に受け継がれる指輪を慎重に選んでください。