原田コラム

2010/08/11

プロの道具箱(6)

〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が
世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。

 

-携帯ライト-

ダイヤモンド専門の方には殆ど縁がありませんが、カラーストンのチェックには携帯型のライトが活躍します。

ペン型のものが一般的ですが、私はここ数年このライトが使いよく離せません。

○ツインライト キセノンLED
宝石鑑別用ライト

白熱灯のような暖色の光を発するキセノン球(1個)と蛍光灯のような寒色の光を発するLED球(3個)を胴体のスイッチで切り替えることが出来るライトです。

白熱灯暖色

白色LED寒色

本来は、アレキサンドライトのような光源により変化する宝石をチェックするためのものですが、スター効果、キャッツアイ効果の特殊効果の宝石はもとより光が強いので様々なチェックが出来るので大変重宝しています。

アレキサンドライト 白熱灯下アレキサンドライト 蛍光灯下

特にルビー、サファイアの無処理(過熱の痕跡なし)の鑑別の手がかりになるシルクインクルージョンは、強い光源がないと見つけることが難しいものがあります。
機械で強い光を作ってチューブを通して顕微鏡で観察するのが一般的ですが、持ち運びには不便です。
経験を積むとルーペとこのライトで近い作業を場所を問わず行うことが出来ます。
指紋状等の液体インクルージョンも同様です。

シルクインクルージョン拡大

また、ヒスイの品質のチェックにも不可欠です。
参照:ヒスイの選び方

ヒスイの色むらを見る

以上のように宝石の鑑別、査定には欠かせない道具となっています。