〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が
世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。
稀少性の高い宝石は、身に着けて十分に楽しんだ後にも価値が残ります。
その時の貨幣価値によって金額は一定ではありませんが、価値が残るのが宝石の魅力です。
また一つ、宝石の価値を物語る事例が誕生しつつあります。
1972年、ヨーロッパの宝石収集家が最初の子供の誕生を記念して妻にダイヤモンドの指輪を送りました。
その指輪はローマのブルガリで当時の価格約100万ドルで購入され、その後40年に渡って彼の家族によって所有されました。
収集家はその指輪を来る10月20日のニューヨークのクリスティーズオークションで競売にかけることにしました。
○Diamond Ring by Bvlgari
10.95 carat Triangular cut Fancy vivid blue
9.87 carat Triangular cut White Diamond
オークション会社は落札価格を1,200万ドル(約10億円)は下らないであろうと予想しています。
いささか過熱気味のファンシーカラーダイヤモンドの相場ではありますが、40年で12倍です。
もちろん貨幣価値の違いはありますが、40年間身に着けて楽しんだ後の資産価値です。
宝石は投機には向きませんが、長期には資産としての価値も残ると言う良い例です。
余談ですが、オークション担当者はこのブルーダイヤモンドは恐らく南アフリカのプレミア鉱山産の少なくとも20カラット以上の原石から研磨されたのであろうと推測しています。
下見会は今週のジュネーブを皮切りに、香港、ロンドンと回り最後にニューヨークで行われ、その後オークションにかけられます。