原田コラム

2010/09/23

純粋な結晶

〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が
世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。

 

The Constellation diamond
Constellation rough

○The Graff Constellation
GIA Grading Report of Graff Constellation
102.79カラット
ラウンドシェイプ
ブリリアントカット
Dカラー
Internally Flawless

The yield from 478ct Rough Diamond

興味深いオリエンテーション画像が掲載されています。
478カラットの原石から10個のダイヤモンドが研磨されました。
そのうち主な7個がどのように位置していたかが図示されています。
102カラットのラウンドと50カラットのハートシェイプは隣接していているのでソーイングの正否は、どちらにも影響するため失敗が許さない難しいものだったと記述されています。

Polished Diamonds Chart from 478ct Rough Diamond

上の表は102.79カラットのラウンドブリリアントカットを筆頭に10個の研磨済みのデータを記しています。
カラーは全てDカラー、クラリティーはVVS1以上で研磨の歩留まりも約44%と高いことから、原石は色むらもなく無色透明な純粋なものであったと推し量れます。

Polished Diamonds from 478ct Rough Diamond

Constellation(星座)の名前に因んで10個のダイヤモンドを星座に見立てて配置した写真からはそれぞれの大きさが分かります。
ラウンド以外では、50.12カラットのハートシェイプと17.00カラットのマーキスシェイプのモザイク模様のバランスの良さが際立っています。

歴史的な原石から世界記録を含む研磨済みのダイヤモンドが出来るまでを発表した貴重なデータの公表に感謝します。