〜ジュエリーコンシェルジュ原田の宝石コラム〜
宝石の価値判定の最前線で働いてきたジュエリーコンシェルジュ原田が
世界のジュエリー業界の動向についてご紹介いたします。
最後に紹介するのは、JARの2点です。
ご存じない方もいらっしゃると思いますので、JARについて簡単に説明します。
JAR
JARほど一部のCelebrity(セレブ)と一般の人との間で知名度に差があるジュエリーブランドはありません。
JARはJoel Arthur RosenthalとパートナーPierre Jeannetによって1977年に創立されたジュエリーブランドです。
JARの名前はJoel Arthur Rosenthalの頭文字です。
彼はクラフトマンではありません。
Gimelの穐原さんのようなプロデューサーです。
独特の宝石使いとオリジナル性からラリック以降20世紀を代表するジュエリーと多くの方が評価しています。
パリのヴァンドーム広場にお店はありますが、ショーウィンドウはなくアポイントのみの対応です。
1点、1点手作りで年間に60~70点しか作られません。
オークション市場にも殆ど出品がなく幻のジュエリーでしたが、2006年10月10日のChristie’sの女優Ellen Barkin 特別オークションでまとまったコレクションが出て、初めて一般の方の目に触れました。
かつてJARの作品集が出版されましたが現在販売はなく、中古市場でも高値で取引されています。
○PINK SAPPHIRE VIOLET RING, BY JAR
Estimate:$40,000 – $60,000
落札価格(含手数料):$50,000(約400万円)
スミレの可憐な美しさがサファイアのメレーで表現されたリングです。
瑞々しさと危うげな美しさを湛えながら、野生の強さも感じられます。
○IMPERIAL TOPAZ, RUBY AND DIAMOND EAR PENDANTS, BY JAR
Estimate:$300,000 – $500,000
落札価格(含手数料):$650,500(約5,300万円)
2006年のEllen Barkinのオークションに出品されたイヤリングです。
残念ながら、その時の落札価格$710,400には届きませんでした。
Ellen Barkinが2005年のアカデミーショーで着けたと言う直近のプレミアムが勝った結果となりました。
以上。